「京……お前……気付いちょったんじゃろ」
座ってすぐ、和也が綾を見ながら口を開いた。みんな、和也を見たり俺を見たりしている。
「綾が俺らから離れた意味、分かっちょったけんね?」
和也は強い視線を向けて俺を見た。
「……まぁ、何となくじゃけど」
俺がそう言うと、陽子が泣き出した。
「ごめんね綾っ……ごめんっ……」
朋も和也も、陸も理一も、申しわけなさそうに顔を歪ませていた。
「……誰も悪くないけん。誰も、悪くなんかない」
逆に言えば、みんな悪いんだ。綾も悪いし、俺も、みんなも悪い。
責めるべきなんは、自分の心だけ。
信じる気持ちがあとほんの少し、足りんかっただけなんだ。
「今は、綾が目を覚ますことだけ祈っちょればいいけん」
俺の言葉に、みんなが頷く。
そう。祈ることしかできん。
綾が目を覚ましたら、俺はやらなきゃならんことがある。
俺は、綾を助けるために、闇から救うために、また一緒に笑うために。
東京に行ったんじゃから。



