……疲れてなんかない。
寝ずに、綾が目を覚ますのを、この2日間ずっと待っていた。
俺にはそれしかできない。
祈ることしか、想うことしか、できない。
綾を助けるには、綾が目を覚ましてくれなきゃ、ダメなんだよ……。
俺は知っちょった。気付いちょった。
もしかしたら綾は、病気のせいで俺から離れたんじゃなかろうかって。
きっと、いつかいなくなるから、その前に、俺を傷つける前に、離れようとしたに決まっちょるんだ。
だけどそのことに、触れることができんかった。
日に日に具合が悪そうになっちょる綾を、見てるしかできんくて。
核心に触れたら、綾が発作を起こすんじゃなかろうかって、俺は怯えちょった。
だけど綾は、ろくに昼飯を食べんようになって、久々に学校に来たと思ったら不健康な痩せ方をしちょって、赤茶の髪が金髪になって。
体中が震えた。
このままじゃまずまずいと思った矢先、綾が発作を起こした。



