「京と、ずっと一緒にいたい……」
まるで綾の言葉を代弁するように、梢先輩が告げた。
……ああ、そうか。
そういう、ことか……。
「京……?」
隣にいた陽子が、手で口を押さえた。
梢先輩が言い辛そうにしていたのは、俺に気を遣ってくれたから。
「京、な……」
ぽつりと自然に出た言葉。
申しわけなさそうにする梢先輩に、俺は笑みを向けた。
「それは俺が1番、知りちょーことだったけん」
梢先輩の目に、また涙が溜まる。
「教えてくれてありがとうございます」
お礼を言い、体を半分前に出す。
「行こう」
みんなに声を掛けて歩き出した俺を、和也が心配そうに見遣ってきた。でもすぐに、ぽんっと背中を叩いてくれた。
慰めでも同情でもない、親愛なる友情の表し。



