……あいつ、京が好きなんじゃろうな。
クラスの奴らは綾の代わりに入ったとか言っちょったけど、事実はそんなんじゃなかった。
話した記憶があまりない。
麻実は京にべったりで、俺らとは全くしゃべらんかったし。
京がおらんと、俺らの行動に混ざることはなかった。
どうでもよかったけど……きっと京の綾に対する態度を見て、泣いたんじゃろ。
きっともう、この想いは叶わんと、分かったから……。
「どげんする? 病院行くかや?」
和也が口を開いたが、みんな俯いて黙っちょる。
「行きちょーけど……合わす顔がないけん……」
陽子が呟くと、陸も朋も顔を曇らせた。
……俺もだ。
行きちょーけど、合わせる顔がない。
綾にフラれたことが、受け入れられんくて。嫌いになりたかった。恨んで憎みたかった。
綾を見ると悲しくて、つらくて、見んようにしちょった。
早く忘れたくて、心から憎もうとした。
散々冷たい態度を取って、ひどい言葉を浴びせといて。
何もなかった顔して、見舞いになんか行けん。



