ざわめくクラスメートに負けないように、担任は声を張り上げる。
「一時期危なくなっちょーが、水島の迅速な対応で危険は免れたけん。今は病院で……意識不明だが、大事には至ってないそうだ」
「意識不明……?」
後ろの席の和也が震える声で言ったように、俺の体も強張った。
「早く三波が目を覚ますように、みんなで祈ろう。……じゃあ今日はこれで解散。明日も元気に登校してきんしゃい」
そう言って担任は教室を出ていった。
クラス全体が重い雰囲気に包まれる。
最近の綾は学校に来ちょらんかったけど、前はいつだって笑顔で、教室を明るくしちょったんに。
病気だったなんて、そんな風には全く見えんかった。
俺は机の上で拳を握った。
ぱらぱらと教室から人気がなくなっていく中、俺と和也と朋はカバンを持って廊下に出る。
「みんなっ……」
陽子と陸も、ちょうど教室から出てきたところだった。
無言で、輪を作る。
ふと足早に横を通り過ぎた人影を見遣る。麻実だった。
「………」
一瞬しか見えなかったが、麻実の目は真っ赤になっちょった気がする。



