「京が東京行ったんも、医者になりちょーって決めて、大学付属の進学校に通うためだけん。向こうで色々調べちょったんじゃと」
たったの12~13歳のときに?
そんなガキの頃から、綾のために……?
「あとは……修学旅行の時さ、綾が京って叫んだ時あったじゃろ? あれさ……あの人混みの中、京も気づいちょったんよ」
「……嘘じゃろ?」
和也は首を左右に振り、苦笑した。
「誰もその時の話を京にしちょらんのに、京が自分で言い出したけん。信じられんかもしれんけど、東京で綾を見た……って」
「びっくりしたよね」
朋が、少し笑う。覇気も元気もないものだけど、和也も口の端を上げて話を続けた。
「そしたら京が言うたが。……そばにおればよかった、初めて後悔したって。逢いたくなって戻ってきた……って。……綾が理一を大切に思っちょるのも、分かっちょった」
「………」
「京は、綾の隣にいられれば、笑顔を見られればいいって言うけん。……綾の全部を分かってあげちょーって……。俺は感動したね」
俺だって……すげえって思う。
京の綾に対する想いが、どれだけ大きいか。きっと理解すらできん。
俺なんて足元にも及ばないんじゃろうなってことだけは、分かっちょーけど。



