「早く体育館に行きんしゃい!」
また何人か先生がやって来て、野次馬の生徒たちを追っ払うように体育館へ促し始める。
ぞろぞろと体育館に向かって歩き出す生徒たちの流れには、俺も、京も、和也たちも入ることはない。
「救急車来たけん!」
ひとりの先生が走ってやってきた。その後ろには、担架を担いだ救急隊員もいた。
京は綾の手を握って、ずっと俯いていた顔を上げた。
「俺も付き添います」
そう言った京を、先生たちは困惑した表情で見る。
「……水島くんは残りんしゃい」
「俺は綾の病気を、ここにいる誰よりも分かっちょる」
「……でも、」
「行かせてあげて!」
涙声で叫んだのは陽子だった。
「綾が目を覚ました時、そばにいて1番安心するのは京だけんっ!」
「俺からも……お願いします!」
陽子と陸に頼まれ、先生たちは顔を見合わせたが、学年主任だけは諦めたように溜め息をついた。



