++++side*理一+++++
「綾……っ」
倒れた綾を抱える京の瞳から涙が零れ落ちた。
「綾っ!!」
陸と陽子がふたりに駆け寄る。
陸の顔は青ざめ、陽子は涙を浮かべ、ぐったりとした綾を見つめている。
何だ……?
何が起きちょる?
具合が悪そうな綾を、京は心配していた。大声を張り上げていた綾が突然顔を歪ませ、苦しそうに倒れた。
何が起こっちょるのか、分からん。
どうしたが、綾。
なんで目を開けない?
茫然と立ちつくしていると、京は何かに気付いたように綾を寝かせ、自分の耳を綾の顔に近づけた。かと思えば綾の右手首を指で押さえている。
次の瞬間、京が綾の顔を覗き込んだ。
「……うそ、……綾っ」
隣にいる朋が両手で口を覆い、ガタガタと体を震わせる。
ちょっと待てや……。
……嘘じゃろ?