「綾っ」


フラっとよろめいたあたしを、京が支える。


「真っ青だが……保健室行こう!」

「大丈夫だってば……っ!」


ズキン……と胸に痛みが走る。


「綾っ、保健室行っちょけよ!」


揺れる視界で、和也が心配そうに叫んでいる。


「綾……」


陽子なのか朋なのか、誰が呼んだのか分からない。



「お願いだから……かまわないで」



あたし、最低なことしたんだよ?

いっぱいみんなのこと傷つけてるんだよ?



もう嫌だ……。

あたしの強がりは、いつもギリギリのところで、脆く崩れてしまう。



「綾……?」



ひと筋の涙が、頬を伝った。


それから、胸に感じた、えぐられるような激しい痛み。