「そう言っちょーし、もうかまうことないけん」
「おい理一っ……」
和也が止めようとしたけど、理一は止まらない。
「ほんと、最低だけん」
そう言った理一の顔が、よく見えない。
……どうしよう。視界が揺れてる……。
気持ち悪い……。
「綾」
突然、京が左側に現れた。
「冷やしたほうがいいけん」
京の優しさに、胸が苦しくなる。京が差し出してきたのは、缶ジュースだった。
……京。あたしの言葉聞いてた?
すごいひどいこと、言ったんだよ……?
「おい京っ、かまうなや!」
「京っ! 綾が言ったこと聞いちょったでしょ!?」
理一と麻実の言葉に何も反応を示さず、京はあたしの左頬に冷たい缶ジュースを当てた。
頬にヒヤリと冷たさが伝わった瞬間、あたしは思いっきり京の手を払いのける。
ガンッ!と大きな音を立て、缶ジュースは固いコンクリートに打ちつけられた。



