「総会、出るんかや?」
漆黒の髪が、風に揺れる。
曇ることのない瞳が、真っ直ぐあたしを見てる。
言葉にならずただ頷くと、今さら体が震えてきた。
「……怖かったけんね」
京は眉を下げて、あたしの頬に触れた。きゅうっと胸が苦しくなって、慌てて俯く。
その手をつかめたら、その胸に飛び込めたら、どれだけ幸せだろう。
「……大丈夫だから」
でも、できない。
「ありがとう……」
あたしは京の肩を押して、京を遠ざける。
京の手がスルリとあたしの頬から離れた。
温かい手をつかむこともなく、安心する胸に飛び込むこともなく、あたしは京を拒否する。
離れて。
近づかないで。
優しくしないで。
自分の手を精一杯伸ばして、京の肩から手を引っ込める。
さっきまで温かくなっていた指先が、京から離れた途端、一瞬で冷たくなった気がした。



