「綾ちゃん、イジメられちょるんじゃって?」
……何、その噂。
左右をガッチリ固められ、逃げるに逃げられない。あたしは両手で紅茶を持って俯く。
「こんな可愛いんじゃ仕方ないけん」
「俺らが友達になっちゃるけん、今度遊ぼうよ」
「……結構です」
気持ち悪い……早くどっか行ってよ……。
「な〜ん! つれないが〜」
「てかすごい色じゃね〜!」
「!!」
ひとりの先輩が、あたしの髪を触った。
やだ……触んないで……。
「……やめてっ!」
自分で髪を引っ張ると、先輩の手からスルリと髪が抜けた。
何で? 他の人だと、こんなに嫌な気分になるものなの?
「ははっ! 可愛い〜!」
顔を近づけてくるから、ギュッと目を瞑って必死に俯く。
近いってばっ……。
ヤダヤダ……。触らないで。近づかないで。
怖い……!



