「あっ、ごめん!」
「いえ……」
ぶつかった肩を押さえて相手を見ると、ふたりの男子生徒だった。多分先輩っぽい……。
「あたしもごめんなさい」
頭を下げて立ち去ろうとしたら、急に腕をつかまれた。
「!?」
「三波綾ちゃんかや?」
「……そうですけど」
なに? 何か用なの?
困惑した表情で相手を見上げる。
「すっげ~可愛かね!」
は……はぁ?
「あの、腕……離してください」
意味が分からない……。
「俺ら2年なんじゃけど、知っちょる?」
「……知りません」
ていうか、腕……離してほしい……。それと……近い……んですけど……。
先輩ふたりはニコニコ話しながらあたしに迫ってくる。
後ずさりしていると、後ろが壁になってしまった。
それと同時に、あたしの腕をつかんでいた手が離れる。



