「綾ちゃん、落ち着いて聞いてほしいけん」
処方される薬の話が終わると、先生が急に真面目な顔になった。
不安が押し寄せる。
「……何?」
先生は長い溜め息を吐いてから、あたしを真っ直ぐ見た。
「このまま発作を起こし続けると、もたないけん」
頭を鈍器で殴られた気がした。
「……え? 弱ってるだけじゃ……」
「弱っちょる。だけんこのまま発作が続くとマズいけん」
……マズいって何?
「あたし、死ぬの?」
自分でも驚くほどすんなり出た言葉に、先生は目を見開く。逸らされた目は、否定できないと言っていた。
「今までは、発作を起こしても、その後の生活になんの問題もなかったけん。生活に、少しの規制はあっちょーけど」
先生はカルテに視線を落としながら、言葉を続ける。
「原因が分からんけん、リスクが高い。できることなら勧めちょーなかった。薬で、抑えられるもんじゃったら、1番よかったんに……」
なんの話をしているのか分からない。……ううん、分かっているけれど、聞きたくなかった。
そこまでしなきゃいけないという現実が、どうしようもなく、悲しくて。



