「……何?」
京はあたしの毛先をすくって、ジッと見ている。
「……いや……」
そう言った京の手から、スルリと落ちる金色の髪。
「……先行っちょるから、来いよ」
京はそれだけ言って、麻実のもとへ行ってしまった。
あたし以外、誰もいない教室。
静寂が、鼓動を掻き立てる。
触れられた毛先から、体中に熱が届く。
ダメだ……。
やっぱりあたしは、京のそばにいられない。
ガタンッと倒れるように席に座った。
こんなに好きだと気付いたのに。笑い合うことも、触れることもできない。
京の笑顔が見たい。京の腕に包まれたい。
だけど叶わない。
望んじゃいけない。



