「京………」
「何しちょー」
……走って来た?
京の息は乱れ、首筋がわずかに汗で光っていた。
「……別に」
恥ずかしさと嬉しさが混じり合って素っ気なく答えると、すぐに京が口を開いた。
「いきなり逃げちょー、何かあるが」
俯く綾の頭上から、京の声。
……京を好きだって言ったらどうなるんだろう。
京は困るかな……?
恐る恐る顔を上げると、京はまっすぐ綾を見ていた。不意に陽子と交わした言葉を思いだす。
『頑張ろうね』
ぎゅっとワンピースの裾を握って、再び俯く。
「……寂しかったもん。……会えなくて」
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