あれはいつだったかな。
病気なんだと京に伝えたのは。
……小学6年生の時だね。
あたしが病気だと知ったら、京はあたしを重いと感じると思った。
“好きになってごめんね”
そう、言った。だけど京は、
“俺は綾が好きで、一緒にいたいと思うけん”
そう、言ってくれた。
嬉しかった。
泣きわめいて、嫌いにならないでとあたしは言った。
“一生好きだけん”
ほんとに嬉しかった。
その時あたしと京は、まだたったの12歳だったね。
なんて愚かで、残酷な約束。
子供のあたしは、好きで、好きで好きで、ただ一緒にいたくて。
京の隣にいることが、あたしの幸せだった。



