あたしに、京を選んでほしいと思ってたでしょう?
だから麻実のこといいのかなんて、聞いたんでしょう?
ごめんね和也。あたしは和也も、傷つけてしまったよね。
「京にも……言うんか?」
「うん。今言う」
立ち上がったあたしの手を、和也は強く引いた。
「もっかい! もう1回っ……考え直してみろや……」
和也の眉が下がる。悲しそうな、今にも泣きそうな顔。
「……ごめんね」
あたしはゆっくり、和也の手を退ける。
そんな時間はないの。
1分1秒でも早く、離れなきゃいけない。
あたしは京のもとへ歩く。
麻実が気付いて睨んできたけど、今は気にしてる場合じゃない。ぎゅっとスカートの横で握った拳を、ゆっくり開く。
「京……大事な話があるの」
笑顔を作ることよりも、声がうわずらないようにするのが精一杯だった。
「今花火しちょるがっ」
焦ったように割り込んできた麻実に、淡々と告げる。
「ごめん。今話したいの」
麻実は悔しそうに、不安そうに黙ってしまった。
ごめんね……今話さないと、決意が揺らいでしまいそうなの。



