「「きゃーっ!!」」
朋と陽子が花火を大きく振りかざしている横で、陸は心配そうにふたりを見つめていた。
京と麻実も、楽しそうに花火をしている。
「おい綾〜」
「ん〜?」
河原の斜面に座っていたあたしのもとに、和也がやって来た。
「いいかや、あれ」
和也の視線の先には、京と麻実の姿があった。
「いいのかって、何で?」
「何でって……」
和也はあたしの隣に座って、花火を手渡してくれた。
「ありがと」
和也はライターで自分の花火に火をつける。何秒後かに花火の先端から、鮮やかな火花が吹き出した。
「ほら」
和也はあたしの花火にも火を移してくれる。
2本の色鮮やかな火花が、あたしと和也の周りを照らした。
「……俺、京の隣に麻実がいちょるのは嫌だけん」
「ふふっ。何それ」
「京の隣は、綾がいいが」
「あたしと京は、友達なんだよ?」
「……」
和也は自分の花火を見つめて、黙ってしまった。
ごめんね和也。
その優しさが、今のあたしにはつらい。



