「おっし! 帰っちょらんな」
昇降口の階段で座って待っていると、和也とみんながやって来た。
「あんなに言われちゃ待ってるしかないでしょ……。で? 花火するって何?」
立ちあがって、スカートに付いた砂をはらいながら聞くと、陸が答えた。
「綾一緒に見れんかったけん、河原で花火。和也が言い出しっぺ」
「今、秋じゃん! 花火売ってなくない!?」
「それがね〜……」
朋と陽子が笑った。
「じゃーん!」
和也が効果音と共にあたしの顔の前に差し出したのは、
「花火! 何で!?」
ビニール袋いっぱいに詰め込まれた手持ち花火だった。
「いや〜夏休みの余り? 今日花火見たら絶対やりちょーなると思って持ってきたけん」
さすがお調子者と言うか、和也らしい。
「ほんだら行きますか〜」
和也がウキウキしながら歩き始めた時、理一が口を開く。
「俺、パス」
「はぁ!? 何でだが!」
「用事あるけん。また月曜な」
「おい理一!」
和也の制止も虚しく、理一は振り向くことなく手を振って帰ってしまった。



