「おー綾! 久しぶり」
京が笑顔を向けてくれた。だけどその横にピッタリとくっ付く影。
───郁子……。
胸をモヤモヤさせる思いを振りきって、笑顔を作る。
「久しぶりっ」
「……綾」
後ろにいた陽子が声を潜めて話し掛けてきた。その声色から、言われることを容易に想像できてしまう。
「言い忘れちょったけど、郁子って多分京のこと……」
多分じゃない。絶対。
綾が転校してきた日。京と仲よさ気に話す綾を、郁子は鋭い目で睨んできてた。
郁子も京が好きなんだ。
それでも綾の気持ちは変わらないから……負けないっ!
「京、焼けたね?」
自然に京の隣に座り、陽子のほうを向きみんなに見えないようにピースをする。
自分が頑張らないと、何も始まらない。綾たちは、恋をしてるんだから。



