「あぁぁあ! 綾っ、どこ行ってたがぁー!」
「あ……ごめん」
花火が終わり、下駄箱で靴を履き替えていると、和也を筆頭にみんながやってきた。
他の生徒たちもぞろぞろと下駄箱にやってくる。
「どこ行って何しちょったが!」
ガクガクとあたしの肩を掴んで揺すぶる和也。
え? 理一から聞いてないの?
揺れる視界の中、理一を見ると、あたしを見ようともしてない。
……言ってないんだ。
「かっ、和也! しゃべれっないっ」
言葉を発すると、和也が揺さぶるのをやめた。
「どんだけ電話したと思っちょるが!」
「いやごめん……えっと、携帯教室に忘れてて、取りに行ってたら花火始まっちゃって」
「アホか!」
「本当ごめん。綺麗だったね花火」
「綾と見たかったが〜」
朋があたしの腕に絡まってくる。
「……ごめんね、本当に」
あたしの心は、申しわけない気持ちでいっぱいだった。
「つーか花火すっから!」
「……は? 和也、何言って……」
「いいからここで待っちょれよ! 帰ったら許さんけんね! お前らカバン取り行くぞっ」
「また後でね」と、陽子と朋がクスクス笑って、あたしの前を通り過ぎていく。
下駄箱に取り残されたあたしはひとり、疑問を浮かべる。
「……花火?」



