「はぁっ……見っ……けた」
携帯を握りしめて身を縮めていると、頭の上から声が聞こえた。
ゆっくり顔を上げると、息苦しそうにしている理一が立っていた。
「……理一……」
聞こえないくらい小さな声で呟くと、理一が座ってるあたしの腕を掴んで立ち上がらせた。
「こんなとこで何やっちょるけんっ。花火始まるが! 早く行……」
バッ!と、あたしを掴んでいた理一の腕を振り払った。
「……綾?」
「あたし花火見ない」
「は? 何でだが」
「見ない」
「何言っちょるかや。みんな待っちょるけん、早く行くぞ」
「見たくないんだってばっ!」
あたしの大声に、理一は眉を寄せた。
「何……どーしたが綾」
やめてよ。そんな、何かあっただろって顔、しないで。
「……俺は見たいが」
何で理一は、あたしを見つけるの。



