さっきからブレザーのポケットに入ってる携帯が、忙しなく鳴り続けている。
……きっとみんなが、どこにいるのーって必死になってるんだろうな。
「……ふふっ……バカだなぁ」
その姿を想像すると、おかしくて笑ってしまう。
腕時計を見ると、6時36分をさしていた。
あと25分くらいか……。花火は10分くらいだから、あと35分、ここでジッとしてればいい。
そしたら……。
「何て言おうかな……」
首を捻りながら、頭に考えを巡らす。
京と理一に、何て言おう。
どう別れを切り出すか悩んでいると、
「あーやーっ」
と、あたしを呼ぶ声が後ろの校庭から聞こえた。
こっそり木の陰から校庭を見ると、和也と朋が走り回ってあたしを探していた。
また携帯が鳴りだす。見ると、陽子からだった。
……ほんと、バカだよ……。
あたしが病気だって、知ってるじゃん……。
ずっと一緒なんて、無理なんだよ……。
そんな約束、嘘でもしたくない。
あたしは、いつ死ぬか分からないんだから。



