「あっ……あたしが買ったんじゃないもん! 店のおじさんがオマケしてくれたのっ!」
京の隣に座ってる麻実を見ないように朋の隣に座ると、必然的にあたしの隣になった和也が笑った。
「綾はおっさんにもモテモテだけんね〜! ぶふっ!」
「何笑ってんのさ!」
地面に座ってるあたしは、花壇の縁に座ってる和也を見上げて怒った。
膝の上にお好み焼きを置いて、もうひとつのお好み焼きを手に持つ。
「ふたつ食べる気しちょーの!?」
向かい側に座る理一が、おかしそうに言う。
「食べますぅー」
パックにかけられた輪ゴムを取り、割り箸を割ると、京が口を開いた。
「綾そんな大食いじゃないがや。無理して食べなくていいけん」
お好み焼きを見ていたあたしは、ゆっくり顔を上げる。
「……食べられるもん」
京と同様に、花壇の縁に座っている麻実の顔が見れない。
「いいから。貸して。俺が食べちゃるけん」
「………」
「ほらほら綾っ、京がそう言っちょるけぇ、よこせって!」
和也がぴょいと花壇から降りて、あたしの膝の上にあったお好み焼きを拾い上げた。
「つぅか、俺もちょっと食いたくなっちょったし?」
和也がお好み焼きを顔の横に持っていき、おどけて言うと、みんな笑った。
和也は隣に座っていた京にお好み焼きを渡して、また花壇の縁に座る。



