「……綾?」
「あ……ごめん。ぼーっとしてた!」
ニカっと笑うと、朋は安心したように微笑んだ。
その優しい笑顔に、胸が痛む。
……ごめんね。
あたしの口から言えたら、1番よかったのにね……。
「さーっ、今日は食べまくるぞ!」
元気よく両腕を挙げると、朋と陽子が声を出して笑った。
「食に走るしかないが」
「太ってしまう〜」
「今日は太るよ! 食べるよ! あたし焼きそば食べたいっ」
「あははっ!」
「じゃあ校庭行こうか」
「いえーい! レッツゴー!」
あたしたちは笑い合いながら、校庭まで走り抜けた。
笑顔でい続けよう。
悲しい気持ちを、胸に秘めた決意を、誤魔化すように。