京の夢の理由を、東京に行った理由を、聞いてしまった2日前。


朋と和也は、あたしが原因不明の病だと知った。


ふたりは困惑していたから、もうあたしに普通に接することはできないだろうなと思っていた。


だけどふたりは知らないフリをしてくれて、いつもと変わらない笑顔で、変わらない明るさで、接してくれた。


ただひとつ変わったのは、時折あたしを見つめるふたりの瞳が、悲しみに溢れるようになったこと。


仕方ないことなのは、分かっている。


同情しているわけじゃないことも、分かっている。


だけどあたしは、できれば知られたくなかった。


朋も和也も、そのことには気づいてるはず……。


朋にはいっさい言ってなかったし、和也には軽い発作だと嘘をついていたんだから。



病気だと言わなかった。


知られたくないから。触れられたくないから。


それを分かって、今まで通り普通に接してくれるふたりに、感謝しなくちゃいけないね……。