――パンッ! パンッ!


文化祭当日、天気は良好。
穏やかな日差しが、校舎に差し込んでいる。


校舎内では先輩たちによる模擬店、校庭では保護者や町内会の模擬店が開かれ、全体的に賑わっている。


あたしはひとり、2階の窓から校庭をぼんやりと眺めていた。


「いたーっ! 綾っ、こんな所で何しちょるが!」

「朋。陽子も」


横を見ると、朋と陽子が走ってきていた。


陽子は窓の外を見てからあたしに向き直る。


「校庭でも見ちょったの?」

「うん。やっぱあれだね。文化祭は見てるより、参加したほうが楽しそう」


あたしは窓に背を預け、目の前の喫茶店を見つめる。


「来年はあたしたちも何か店やりちょーね!」


そう言って笑う朋につられて、あたしも笑顔になる。


「そうだね」


来年……かぁ……。