───ガンッ! 突然の音に、体が跳ねた。 「あ……」 ぼーっとしてた……。 音の正体は、持っていた2本のカラースプレー。 「………」 足元に転がっている、2本のカラースプレーを見つめる。 白と赤の、カラースプレー。 ……どっちを選ぶ? 雪のように優しく、純粋で綺麗な白。 炎のように力強く、熱く美しい赤。 「……分かんないよ」 ぐしゃっと前髪を掴んで、あたしはしゃがみ込む。 美術室に広がる、油絵の具の香りと木の匂い。 ……あたしは京を、縛り付けているんだろうか。