「知っちょーよ。京と昔、付き合っちょったってこと」
「……」
「京と寄り戻すかや?」
「そんなの……分かんないよ……」
「だったらやめて」
え……?
困惑の表情を見せたあたしを、麻実はキツく睨んでくる。
「綾にその気がないなら、京に期待持たせるようなことしないでほしいが!」
期待って……。
「あたしはっ、京と友達に戻っただけだよ!」
カラースプレーを抱える腕に力を込める。
「それが京をツラくさせちょるってことが、分からんかや!?」
「………っ」
「京は綾のこと、絶対まだ好いちょるんじゃから!」
「そん……な、の……」
分かってるよ。
分かってた。
でも、今は本当に友達としてみんなと仲よくやってるのに……。
京は毎日笑ってるのに、それでも京はつらいままなの……?



