「綾」
「ん?」
「どうなっちょー?」
そう言って自分の耳たぶを触る京を見て、理解した。
「ピアス? ちゃんと付けてるよ」
両サイドの髪を掻き上げると、京が首を曲げて覗いてきた。
「……そろそろ付けていいけん」
「普通のピアス?」
「ん。化膿しちょらんし、穴できちょるみたいだけん。1ヵ月以上経っちょるしね」
「わーい! やった!」
足をバタバタさせて喜ぶと、京が可笑しそうに笑った。
「……なによぅ」
「いや? 綾だなーと思って」
「?? 綾だけど?」
「はは! 分かっちょーよ!」
「変な京〜」
そう言って教室を見渡すあたしを、京は優しい目で見ていた。



