こんな田舎町の高校でも、文化祭は派手にやるみたい。
中学の時は文化部のステージ発表ばかりで、はっきり言ってつまらなかった。
だけど高校は主に先輩たちの希望者で出す出店もあるし、町の人たちも来て色々やるみたいだから、ちょっとは楽しめそう。
あたしたちのクラスは出店をやらないから、実行委員の手伝いだったり雑用をこなしていく。
今あたしたちがやってるのは、校内に貼るポスターと校門に飾る大きい看板作りだ。
「看板、外でしてよかだって!」
先生に許可をもらいに行ってた和也が戻ってきた。
「どこで作るが。裏庭とか?」
「そうだな〜! ペンキとか木材とか全部持ってって、いつでもできるようにしちょれって」
「どんくらい持ってくが」
「看板の大きさが〜……」
和也と京が、あーだこーだ話し合っている。
看板作るの、時間掛かりそう……。
でもやっぱり、みんなで何かやるって、楽しい。