木々が彩る紅葉の季節。
あたしたちの高校は、近づく文化祭に色めき立っていた。


「理一。ちゃんと仕事しろよ」

「しちょるが! ほれ! ポスターッ」

「さっきから進んどらんが。色塗るだけなんに……」

「京うるさいが〜綾〜」

「ポスター1枚に何分かかってるのよ」

「うわひどっ! 朋〜、イジメ起こっちょるがこのクラス」

「理一! ちゃんと仕事して!」

「看板も終わっちょらんぞ!」

「…………」

「プッ」


みんなに怒られてやさぐれモードの理一に、あたしと京、和也と朋が笑う。


あのプールの日から理一と京は仲よくなって、もともと楽しいことが大好きなふたりは馬が合うとは思ってたけど、まさか連むようにまでなるとは、思いもしなかった。


あたしは看板作りのプリントを見る。


「和也〜、看板は外でやるよね?」

「だな〜! 俺許可取ってくるが」

「よろしく〜」