京と同じくぽかんとしてると、朋が横に来て笑った。


「気にしちょらんってことじゃなか? 俺も負けない!とか?」


そう言って、朋も教室に入る。


「…………」


そうだね。

あたしは、京と理一か選ぶために、友達に戻ってやり直したんだ。


それは、京も理一も分かってる。


甘えたなあたしを、待ってくれてる人がいる。


いちいち悩んで遠慮するのは、失礼だよね……?


あたしと理一と京。


友達として、大事な人として、関わって決めなきゃいけない。


未定な気持ちを、よく考えなきゃ。




これがあたしたちにとって、1番いい方法だと信じて疑わなかった。


だけどまさか、この関係が思わぬ事態を招くことになるなんて、この時のあたしは分かっていなかった。