夏休みだっ! そう喜んでいたのは最初だけだった。 京に会えない。 会ってるけど、学校に行ってるほうが会える回数は多かった。 学校がある日は毎朝京は家の前にいたし、土日のどっちかは必ず遊んでた。 つまんない。 それが家での口癖になってた。 パパが気を遣ってどこか出掛けようかって言ってくれたけど、大きく首を振った。 「遠出すれば遊園地とかに行けないこともないよ?」 「んーん。いい」 パパの気遣いをよそに綾は断る。