「おい綾」


ベランダに続くドアが開き、理一が教室から顔を出した。


「あ、何?」

「俺もプール入りたかったが」

「……え?」


突然の発言に、あたしは目を丸くする。


「おい、京っ!」


えっ!?


理一は、座っている京を呼んだ。


な……何言うの理一!


「……ん?」


理一に声をかけられたことに驚いた様子の京。


理一と京は和也が一緒にいない限りしゃべらないから、あたしもびっくりしてる。


「お前な、俺も混ぜろよ。プール」

「あ……ごめ、ん?」

「ほんとだがっ!」

「………」


ぽかんとする京をよそに、理一はあたしを見て、

「そろそろ担任来るが」

と、そう言ってさっさと席に座ってしまった。


な……何だったの?