「おはよ〜」


ちょうどお昼休み。あたしは教室に入る。


「綾! もうっ、早速遅刻なんてありえんけん!」

「ごめんごめん」


教室に入ってすぐ、朋がすっ飛んできた。


「おー、サボリ魔」


窓際1番後ろ、あたしの席にカバンを置くと、ベランダに出ていた理一がニヤリと笑った。


「サボリじゃないもん」


ムスッとして言うと、理一の隣にいた和也が笑う。


「どっちにしろ寝坊じゃろ〜?」

「目覚ましが壊れてたの!」


和也と理一は「絶対言いわけだが」と言って笑っていた。


「綾、お昼は?」

「朝ご飯と一緒に食べちゃった。朋はお弁当あるよね?」

「うん」

「じゃあ、あたし飲み物だけ買ってくるね。朋何か飲む? 奢るよ!」

「ほんと? やったぁっ! お茶がいいけんっ」

「おっけー」


話を聞いてたのか「俺コーラー」「俺も!」と理一と和也の声が聞こえたけど、あたしは無視して売店にある自販機に向かった。


「お茶と、ミルクティー……」


自販機に千円札を入れて、あたしと朋の飲み物を買う。


「……2本も4本も変わんないか」


あたしはコーラのボタンを2回押して、釣り銭のレバーを回してから、お釣りを財布に戻した。