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『これが最後だけん。……俺と付き合って』


決断しなければならない。

どちらが好きなのか。
どちらが大切なのか。


『……俺じゃダメだが。でも逢いたくて。……調べるんじゃなくて、わかってあげたいけん。綾全てを』



君の夢の理由を。東京に行った理由を。もっと早く、知っていたら……。


『京。あなたは綾にとって誰よりも本当に大きく大きく、大きな存在だったよ。きっと感謝してもしきれないくらいの愛をもらった』


どれほどの痛みを与えてきたんだろう。

君はどれだけ、愛してくれたんだろう。



『綾が……病気?』


傷は治ることはなく、あたしの体を蝕み続けた。


『次発作を起こしたら、……覚悟して下さい』



いつも孤独だった。

愛されていると分かっていても、いつか傷が広がって独りになると知っていたから。


それが間近に迫って、怖くて、怖くて怖くて。

あたしは全てを、捨てた。



『昔言ったが。俺が全部、受け取っちゃるって』


記憶の渦の中、君を探して彷徨った。


『俺の幸せは、綾の存在』


あたしこそ、幸せだった。
君がいるだけで、確かな愛と幸せを感じた。


君は、真っ暗な道を、迷子のあたしを、照らして導いてくれた。


『……ありがとう』


もう迷わないから、心配しないで。

だから、泣かないで。


『……起きてっ……頼むが、綾っ!』



今度は私が、君をいつまでも照らし続けてあげる。


何度でも、愛してあげる。




【第3部:愛の輪廻】