「ありがとうっ」 あたしの両耳には、ひとつずつピアスホールができた。 「何でいきなりピアス?」 一瞬ドキっとしながらも、京の問いにしっかり答える。 大丈夫。大丈夫。 「今日理一にピアスもらって、付けなきゃ悪いなって」 「あぁ、なるほどね」 京はあっさりそう言ってから、「部屋に戻ろ」と、廊下に出た。 律兄にお礼を言って、京の部屋に戻る。 陽子と陸にピアスをお披露目して、夜10時。 帰る時まで、会話が途切れることはなかった。