律兄は立ち上がって、アルミ棚を探り始めた。
すぐに「あったあった」と言って振り向く律兄は、ニカっと無邪気に笑う。
「今開けちゃる」
「今!?」
「氷持ってくるけんね」
「え、ちょっ……」
律兄はウキウキしながら部屋を出て行ってしまった。
……まぁ、いっか……。
大人しくソファーに深く座って、律兄を待つことにした。
「開けるぞー」
律兄が持ってきた氷で充分耳を冷やし、ピアッサーを耳に当てられた。
「怖いっ。やっぱ怖い! 痛いんでしょ!?」
「んなの一瞬だけん! 一瞬!」
「嘘だぁぁ……」
律兄は溜め息をついて、問い掛ける。
「ピアスの話知っちょー?」
「何それ」
「ピアスを開けると、運命が変わるってゆうけん」
……運命?
「今までのつらいこととか忘れて、これからは幸せになるようにって。願掛けみたいなもんだが」
「そうなんだ……」



