「ありがと」


テーブルの前に腰掛けていた理一にコーラを渡すと、理一はキョロキョロと、あたしの部屋を見渡す。


「クマのぬいぐるみ多かね」

「昔から好きなの」


ふーんと言ってまた見渡す理一。


そんなに見ても面白いものなんてないですよ、理一くん……。


「何か顔色悪かね?」

「え? あぁ……寝付けなくて」


昨日は一睡もできなかった。

目が腫れるといけないから、氷で冷やしながらずっと泣いていたんだ。


「大丈夫かや?」

「夏バテかも」


笑顔を見せると、理一はホッとした顔をする。


心配かけちゃいけない。元気でいなくちゃダメだ……。


ミルクティーを飲んで、心を落ち着かせる。


「あのね、理一」

「うん?」

「来て早々悪いんだけど……」

「うん」

「話があって」

「……うん、俺も」

「だと思った」


笑って言うと、理一も笑った。