京の体が離れ、京の手が綾の頬に触れた。 逆光で顔が見えない。 するりと、京の指が耳に触れる。 「さよなら……綾」 京の唇が、頬に触れた。 愛しむように、何度も……何度も……。 京が、泣いてるのが分かった。 京の涙が、綾の頬に落ちたから。 「さよなら………京」 さよなら、愛しい人。 3年ぶりの再会から2日。 涙をのんで、京と別れた。 .