「……うん」
目を瞑って、大きくなった京の背中に腕を回す。
「戻るけん、過去に」
「……うん」
やり直そう。
出逢ったばかりの、綾たちに。
無邪気にはしゃいでいた、あの頃に。
6年前の、あの日々に……。
「……京はいつも……綾が欲しい言葉をくれるね……」
目を開けて、天窓を見上げる。
星空だけが、ふたりを見ていた。
「……笑っててほしいけん」
好きだと言ってくれたのに、京は自分より綾なんだね。
身勝手な綾に「笑っててほしい」なんて。選べないと悩んでる最低な綾を、優先するなんて。
綾が苦しむから、自分の気持ちを押し殺して友達に戻るなんて。



