あたしの願いもむなしく、京は立ち上がって、左手を腰に当てた。右手で顔を覆って、溜め息をつく。
天窓の下に立った京は、星と月の明かりに照らされていた。
向けられた背中が、ひどく切ない。
「ごめん……ほんとに帰っ……」
「……京?」
途切れた京の言葉に、違和感を覚える。
ずっ、と鼻をすする音が聞こえた。
……京……。やだ。お願い。
「泣かないで……」
あたしまで、泣きそうになる。
きっと、泣いてた。
陸がいた時から、ずっと泣いてたんじゃないの?
だから、部屋の明かりも付けないで、あたしに知らせまいとしてたんでしょう?
泣かないで。
泣かないで。
お願いだから。



