「京は……」 陸は靴紐から目を離さずに、口を開く。 「京は、綾が好きだけん。昔から、誰よりも。……何より大事に思っちょーよ」 あたしを見ずにそう言って、陸は立ち上がる。 反射的に、俯いてしまった。 「綾」 ゆっくり顔を上げると、陸は悲しそうに笑う。 「……ごめん。俺のおせっかい」 「……」 言葉が出なくて、ただ必死に首を横に振った。 「じゃあ、またな」 「……うん」 陸はあたしをチラッと見てから、玄関のドアを閉めた。 あたしは階段を見上げて、京の部屋に向かう。