いきなり恥ずかしいこと、さらりと言わないでよ!
「だって服とか髪とか全体的にフワフワしちょるし、異様に可愛いけん」
───ドボンッ!
「えっ!? 何しちょるんっ!」
火照った顔を川に突っ込んだ綾を、京が肩をつかんで引き戻す。
「触んないでぇっ!」
ドンッッと京を突き飛ばすと、京はよろめきながら何とか体勢を整える。
「何するけん! 俺はお前の人生を助けようと、し……」
京が綾を見て、ぽかんとした。その表情で、綾の顔がどれだけ赤いかなんて、嫌でも分かる。
「見ないでっ」
顔を隠しきれなくて、耳も隠せるようにうずくまった。
「ぷっ! なに!? もしや恥ずかしがっちょる!?」
「うるさいっ!」
「ちょっ……ははっ!」
恥ずかしさに耐えきれず、京の体をポカポカ叩く。
日が差し込む川辺に、京の笑い声だけが響いた。



