『もしもし〜?』
「……律兄」
『ん。久しぶりだけんね。どしたが』
勇気を振り絞るように、ぎゅっと携帯を握った。
「京……京と話しがしたいの。家に行っていい……?」
『……今から?』
「うん……」
『ちょっと待ってな』
携帯を置いたような音がして、しばらく待っていると、再びガチャガチャと音がした。
『来ていいが。迎え行く?』
「大丈夫……」
『分かった。京には伝えたけん』
「うん……ありがとう」
『気をつけてな』
「うん。じゃあ……」
電話を切って、携帯を閉じる。
「はぁ……」
ぎゅっと唇を噛んで、心を落ち着かせる。
深呼吸してから立ち上がり、クローゼットを開ける。
淡いピンクのワンピースに着替え、必要なものだけ持って家を出た。



