「約束守れなくてごめん」


――……え?


「だけど……」


黙ってしまった京に、あたしは恐る恐る顔を上げた。


京は俯いて、頭をガシガシと掻いている。京が顔を上げて、視線がぶつかった。


夕日を浴びて、息を呑むほど綺麗な京に目を奪われる。



「約束を守ることを誓うよ」


薄い唇から紡がれた言葉に、目頭が熱くなった。


「……一生涯変わらない、約束」


真っ直ぐな視線が痛い。あたしは戸惑って、視線を泳がす。


「それだけ言いたかったけん」


そう言い残して、京は自分の家へと帰っていった。



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