「せこい! 理一の鬼っ」
「鬼だけん」
そうじゃなくて!
理一が手を伸ばしてくる。あたしをその手をくぐって逃げた。
「あと10秒!」
くそっと言って、理一が追ってくるのが分かる。
9! 8! とカウントダウンの声が聞こえる。
ここまできて、捕まりたくないっ。
「7! 6!」
後ろをチラッと見る。
「5! 4!」
伸びてくる、理一の手が見えた。
「3! 2! 1!」
体が、足が止まる。
「「やったー!」」
みんなの歓喜の声が、遠くで響いた。
「捕まえた」
理一の息が耳にかかる。
「────っ」
あたしは、理一の腕の中に捕まった。



