「無理っ、俺……疲れた」
そりゃそうだよ。京、最初っから走りっぱなしだったもんね。やっぱりあたしのひとり勝ちだなっ。
ふと理一が視界に入り、視線が絡まった。
「はぁっ……」
息を整えながら理一を見たままでいると、理一はつま先で地面をぽんっと蹴る。
……まさか。
「何でよぉぉおお!!」
あたしは全速力で逃げる。理一が走ってきたから。
さっき立ち止まってたのは休んでたからだ! 和也と計画してたんだ! ずるい!!
「せこい!!」
後ろを確認しながら理一に文句を言うけど、理一は口の端を上げて笑ってるだけ。
足が重い。危うく線を越えそうになり、ぎゅっと踏みとどまる。
「追い詰めたが」
慌てて振り返ると、理一がジリジリと迫ってくる。



